Knowledge Reigns Supreme Over Nearly Everyone(知識がほぼ全ての人間を完全に支配する)
↑これの頭文字をとって「KRS-ONE(ケアレスワン)」である。
もう名前が最高にかっこいい。
元々はBDPことBoogie Down Productionsの主要メンバーであり、1987年に出した彼らの1stアルバムであるCriminal MindedはHIP HOPのクラッシクとして多くのラッパー、HIP HOPシーンに影響を与えている。
名前からもわかる通り、見た目に反して(失礼な物言いですけど…)とても哲学的で、それでいて時には直情的という、良い意味での人間臭い矛盾をもった魅力の塊。
そのメッセージ性はもとより、ラップのフローも唯一無二のスタイルで、男なら憧れずにいられないラップスタイルである。
KRS-ONEはHIP HOPの歴史に残るいくつかの出来事の当事者でもある。
特にNYのブロンクスをHIP HOP生誕の地として、ブロンクスで活動していたBDPと、NYのクィーンズ地区をレペゼンしていたJuice Crewとの間に1988年に発生したBridge Battleは未だにHIP HOPでは最大のビーフとして語り継がれている。(1995年には正式に手打ちとなり、めでたくスプライトのCMで共演をはたしている)
Bridge Battleざっくりとした詳細しくはこちらを参照↓↓↓
BDPのメンバーであるDJのスコット・ラ・ロックが凶弾を受けて死去した事をきっかけに、よりコンシャスな内容の曲が増え、HIP HOPにおけるストップ・ザ・バイオレンス・ムーブメンという活動を興すなど、常に先頭にたってHIP HOP界を牽引していた存在である。
90年台後半、HIP HOPがメインストリームになり、お金を生み出す音楽になるにつれ、彼の姿をメジャーというシーンで見かけなくなってしまうという本当に嘆かわしく由々しき事態になってしまってはいたが、彼はそんな事で止まる男ではない。
この動画のLiveのように本当にHIP HOPを愛してる存在からは今も絶大な支持を得てる。
このLiveの詳細は良く知らないが、こんなに多くの白人から支持されているというのも感慨深い。
通常ソロのラッパーというのは、Liveの時にぞろぞろと取り巻きをステージに上げてウダウダする人も多い。
特に韻踏み要因はだいたい必須である。
しかし、このKRS兄貴。さすがである。
1DJ&1MCの超ストロングスタイル。もうそこだけで超かっこいい!!
確かにこのLiveところどころ荒い。
語尾とか言えてない部分多々ある。でもそれがなんなのだ!?そこは本質ではない。様式美なんて糞食らえっ!!!
こういうストロングスタイルな所も間違いなくKRS兄貴の魅力なのである。
彼のLiveは「オレの曲カッケー!!」
みたいな感じだけではなく、HIP HOPの歴史をトレースしたり、HIP HOPメンタリティーをフリースタイルのようにして伝えたり、哲学をHIP HOPという手段で最高にかっこ良く伝えている。
特に5分16秒位から始まるHIP HOP年表から曲へ!!という流れは鳥肌ものである。
またLive中で、亡くなってしまった偉大なHIp HOPアーティストに向かって追悼の意味を込めてそのアーティストの曲をやるとかも熱い。しかも湿っぽくなく、ちゃんと追悼の意が伝わる。
ちなみに彼らBDPがHIP HOPにReggaeのスタイル(フロー的な意味で)を最初に持ち込んだという事もお伝えしておこう。
ギャングだ、酒だ、女だという最近のメインストリームに溢れる刹那的なHIP HOPでは感じられない興奮をこの動画から感じてもらえたら幸いだ。
彼はオレのHIP HOPの先生だ!!